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TAKUYA

僕は…

幼い頃ピアノを習っていた。

好きではなかった。

むしろ嫌いだった。

友達と遊ぶ時間すらピアノに「食べられた」

だからピアノが嫌い。

でけれどもある日先生が言った。

「いい?ピアノはね、昔の人の曲を弾くだけじゃないの、好きに弾いていいのよ」

あまりにも練習に身が入らない僕に向けたせめてものピアノは好きになってもらいたいがためにいった言葉だろう。

僕はその言葉が気に入った。

そして先生はそんな僕にこうも言った。

「次の発表会の曲はこれにしてみよう」

「アラベスク」短い曲。

それを先生は編曲した楽譜を僕に渡したのだ。

「知ってる人でも聴いたら「あれ?」って成るようになってるはず、あとは好きに弾いていいよ」

端から見たら完全に発表会に出ては行けない事をしているのだろう。

だが、先生は価値を付けられない体験をさせてくれたのだ。

先生の教えてくれたクラシックは、斬新で愉快で、滑稽でありながらも優雅であった。

この「アラベスク」が書かれた当初のように。

僕たちは昔の時代のように、音楽を楽しんだのだ。

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最終更新日:2014-12-26 20:49

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