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TAKUYA

あれはいつ頃だっただろうか

普段そんなに話さない友達に「ライブに行こう」と誘われた。
なんでも何か懸賞でライブチケットが当たったものの、約束していた他の友達が急に行けなくなったために僕に白羽の矢がたったようで。
何を話すわけでもなく当日のライブ会場で待ち合わせた。
正直なところ、ただでライブが見れるから行ったものの、興味は毛のほどもなかったのだ。

が、僕はそこで価値観が大きく変わった。

一人の女の子がステージにたったのだ。
そしてその子は声を響かせた。
甘く、切なく、愛おしく。

僕ははじめの曲を聴いてすぐに曲が耳に入らなくなった。

僕の頭の無音の世界でその子は歌っていた。

僕は初めて歌が好きになった。

歌い終わるとその子は観客に向かって「ありがとう」もなくお辞儀もせずに踵を返す。

そしてもう一度振り向くと「じゃあね」と呟いて舞台裏へと消えた。

かっこ良かった。
綺麗だった。
可愛かった。

そして僕の世界を変えた。

その子の名前は「木村カエラ」

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最終更新日:2014-12-26 20:38

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